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臨床研修 >研修医からのメッセージ
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私が広島大学病院での研修を決めた理由は、診療科が多く幅広く研修することができ、大学時代の先輩方や同期の知り合いも多く相談しやすい環境が良いと思ったからです。
当院で研修していて良かった思う点はいくつかあります。
まず、大学病院ならではの豊富な設備と最先端で専門的な医療に関わることができるところです。カンファレンスや症例発表など勉強の機会も多く、様々な手技や学会発表、論文作成の機会もいただけます。
また、経験豊富な指導医の先生方が多く、知識的な面でも技術的な面でも熱心に指導してくださいます。同期の人数も多いため、すぐに相談でき、互いに切磋琢磨し研修できるところも魅力的です。
当院の研修プログラムでは自由選択も多いため、まだ将来の科を迷っている方にも大きなメリットだと思います。
ぜひ見学にきて当院での臨床研修を考えてみてください。
令和2年 研修医 松琴 可南子
私は広島大学病院のたすき掛け研修プログラム(1年目大学病院、2年目東広島医療センター)での研修を経て、広島大学産婦人科に入局しました。
学生時代より手術に憧れがあり、臨床実習で見学した帝王切開に衝撃を受けたことがきっかけで産婦人科に興味を持ち始めました。漠然と抱いていた産婦人科のイメージは、忙しい、修羅場、バリバリ、体力がいる、厳しいなど、羅列するとキリがないですが、ネガティブなものが多かったように思います。しかし、臨床実習(ポリクリ)、アドバンスト、臨床研修と研修する中で、産婦人科へのイメージが変わっていきました。
産婦人科では、出産から悪性腫瘍まで幅広い疾患を扱い、他科から独立した専門性の高い診療科のため、患者さんの診断から治療までを担うことができます。腹腔鏡、開腹などバラエティーに富んだ手術があるのも産婦人科の魅力の一つです。 また、出産という人生の一大イベントに関わることが出来ます。妊婦健診で、胎児エコーのモニターを眺めるお母さんの笑顔を見るとこちらまで幸せな気持ちになりますし、そんなお母さんたちが大変な出産を乗り越えて赤ちゃんと対面する瞬間に立ち会うたびに、産婦人科医になってよかったなと実感しています。もちろん毎日が幸せなことばかりではありませんし、日々の業務に忙殺されそうになることもあります。そんな時に私は、こっそり新生児室へいって赤ちゃんたちから元気をもらっています。
日々の診療の中に、患者さんを治すこと以外の喜びがあるのは、産婦人科の大きな魅力ではないでしょうか。
敬遠されがちな産婦人科ですが、幸いなことに令和2年度から、臨床研修において必修科目となりました。私も産婦人科医としてまだまだ研修中の身ではありますが、ここでは伝えきれない、伝えたい魅力がたくさんあります。これからみなさんと、いろんな病院で会えるのが楽しみです。
最後になりましたが、みなさんの臨床実習、臨床研修が実りあるものになることを祈念しております。
令和元年度 臨床研修修了者
当院の救急集中治療科研修の特徴の一つとして病院前救急への同乗研修を行える点が挙げられます。ドクターヘリ研修もその一環で参加させていただきました。
実際の出動例は、転落外傷の事例です。
山口県への出動で、現場で患者の初期評価(致死的病態の鑑別、受傷部位の特定、重症度評価等)、その他処置を施し、近郊の医療機関へ搬送しました。
通常の救急外来診療と違い、病院前診療では短時間で適切な医療機関へ搬送するためにより情報の取捨選択が求められます。
また、初療と根本治療の境目を適切に見極めることが病院前診療において重要であると学びました。
病院前診療を経験することは救急隊の活動内容を知ることにつながります。加えて、搬送前から救急外来診療までのスピード感を体感する絶好の機会であり、より救急医療への興味が湧くのではないかと思います。
条件がそろえば救急集中治療科をローテーション中にドクターカーに同乗することも可能です。
病院前診療は救急科に進まなければ今後二度とない機会だと思うので、検討してみてはいかがでしょうか。
令和3年 研修医 松岡 慶朗
研修1年目に大腸グループで1ヶ月研修させて頂きました。1ヶ月間に行われる手術には全症例入らせて頂き、外科ならではの経験をすることができました。また、外科研修とはいえ先生方が教えて下さったのは主に術前評価・術後管理のことで、いわゆる“どこの科に行っても必要となる知識・技術”を、激務の合間にしっかりと指導して頂き、その後の初期研修においても非常にためになっています。
外科研修で一番印象に残っているのは1日2回、朝夕にあるチーム回診で、そこではチーム全員が集まって入院患者全員の病室を周り、現在の患者の状態や今後の治療方針を短い時間ではありますがdiscussionしています。周術期という急性期管理においては頻回の話し合いでチーム一丸となった医療が重要であり、“最小単位のチーム医療”の素晴らしさを体感しました。
大学病院で研修する同期には外科選択を全く行わない人もいるが、学生実習と初期研修で感じられることには大きな差があります。将来の選択がなんであれ、是非外科研修をして、一度外科の世界に足を踏み入れてみると良いと思います。
H31年 臨床研修修了生
私は広島大学病院での臨床実習で消化器・移植外科の際に、友だちから聞いた移植手術の凄さを見学できなかったことが心残りで、移植外科ローテートを選択しました。
研修期間中、幸運にも脳死腎移植と膵腎同時移植に触れる機会がありました。この機会では、ハーベストの話、手術の準備から手術、術後管理まで常に学ぶべきことがたくさんあって充実していました。
消化管の緊急手術に参加する機会も頂き、消化器外科としての仕事の大切さの一端に触れることができました。また、生きた豚を用いた手術指導を受ける機会も頂きました。
消化器・移植外科では、様々な学習の機会を頂けることやその際の指導も懇切丁寧であること、徹底した術後管理を学習出来ることなど初期研修医が求めるものがたくさんあったように感じます。仕事を離れれば、食事や酒の席にもよく誘われ、そこで外科医としてのマインドなど大切なことも教わることができました。消化器・移植外科では皆さんにとって期待以上の研修ができるでしょう。
H31年 臨床研修修了生
*2020年の省令改正によって、外科研修は必修化されました。
済生会 呉病院
済生丸でのへき地診療研修について
済生とは「いのち(生)をすくう(済)」という意味です。
済生会呉病院は呉の地域に根ざし、地域での人間ドック・検診などの予防医療や医療負担を軽減することのできる無料低額診療、また近隣にある国立呉医療センターや呉共済病院などと連携して慢性期・リハ入院の患者さんを受け入れる地域連携病院としての面も持っています。
済生会呉病院はその中でも呉の地域の人々の一次予防の面に力を入れている病院でした。
済生会呉病院が運航する済生丸は、医療が整っていない瀬戸内海の島に出向き普段近所に病院のない方々の診察、健康診断を行います。
済生丸は普通のフェリーと同じような綺麗な内観でありながら、各種検査の機器やエコー、地下には通常のX線室に加え胃透視、マンモグラフィーを行える設備を備えています。
僕が研修医として同行させていただいた研修では、早朝から地域医療に長く尽力されている医師・看護師・事務職・検査技師・放射線技師の方々が、済生会呉病院の近くにある小さな港に集合し出向しました。
島では新型コロナウイルスの影響もあり、その回は10人弱と少数ではありましたが、島民の方々が待機されており各種検査、医師の診察と共にエコーを行い島民の方々の健康診断を行いました。
近年瀬戸内海にある島々には、各島を繋ぐ橋が建設され、昔よりは医療にかかるハードルは低下しました。しかし、孤立した島は存在しており、最寄りの病院まで1時間近くかかるという地域もたくさん存在しています。そのため、検査設備が充実している済生丸に多職種が乗り込み定期的に来島することは、地域医療に大きく貢献をしているということを研修を通して体感しました。実際に行ってみるとわかりやすいと思います。
また、済生会呉病院では他にも地域への様々な関わり方を紹介してくださり、広島で医師をしていく上でとても勉強になりました。
地域医療に対する見識を深めるという面で済生会呉病院での研修を行うことはとても有意義だと思います。
令和2年9月 2年次研修医 真田竜平
私は研修医1年目の4.5月に広島大学病院の救急科をローテートしました。そこで全身管理の面白さや急変対応をしている先生方の姿を見てかっこいいと感じ、救急科を志望科に考えるようになりました。
入局を決めるにあたって、大学病院だけではなく、市中病院の救急科もローテートしたいと思い中国労災病院の救急科で研修をさせていただきました。
広島大学病院の救急科はいわゆる三次救急が多く、他院ですでに診断がついている患者さんの加療を行うことが多いです。一方、中国労災病院のERではwalkinから三次救急まで幅広く受け入れているため、自分自身で問診をして身体所見をとり、どんな検査が必要か、診断は何かなどを考える力が求められます。
はじめは、患者さんを目の前にするとどうしたらいいのかわかりませんでした。しかし、診察の際は指導医がその場に同席し、その都度指導して頂けるので、症例を積んでいくうち少しずつ自分で考え行動することができるようになりました。
また、初めの頃はオーダーの内容をじっくり考えたり、カルテを書くことに必死になっていました。しかし、忙しい診療時間の中で、ただ検査を出すだけではなく、検査の順番を考え検査の待ち時間に別の検査ができるよう看護師さんや他の先生と連携を図って円滑に診療が進むように配慮する、などといったスキルも重要なのだと痛感しました。
手技も不安定なことが多かったのですが、研修が終わる頃には自信を持ってできるようになりました。
一か月間という短い期間でしたが、救急科の先生を始め多くの先生方にご指導頂き、非常に有意義な研修を送ることができました。
他院での研修は不安でいっぱいでしたが、指導医の先生方も看護師さんも優しく分け隔てなく接してくださり、居心地の悪さを感じることはありませんでした。
また中国労災病院の研修医の先生方がとても頼もしく感じ、自分もがんばろうと襟を正す思いがしました。
末筆ではありますが、このような貴重な機会を与えてくださった広島大学病院臨床実習教育研修センターの皆様・広島大学病院の先生方、お忙しい中手厚く指導してくださった中国労災病院の先生方、優しく接してくださった中国労災病院の研修医の皆様、誠にありがとうございました。
心よりお礼申し上げます。
令和2年10月 2年次研修医 大谷詩歩